107歳で亡くなった篠田桃紅のアトリエ、
岐阜県関市の岐阜現代美術館に復活
篠田桃紅といえば、日本を代表する女性アーティストの一人です。長寿でも有名で、2021年に107歳でこの世を去りましたが、その創作意欲は最後まで衰えることがありませんでした。そんな彼女が1970年代から創作にいそしんだ東京都のアトリエが、「心のふるさと」である岐阜県・関市の岐阜現代美術館に移設され、展示室を備えた「桃紅館」として、3月28日から一般公開されています。
桃紅館は、岐阜現代美術館を運営する鍋屋バイテック会社と岐阜現代美術財団が、遺族の了承を得て1年以上かけて移設したものです。アトリエから取り外しが可能な部分は全て移設し、取り外せない部分は汚れや傾きまで可能な限り再現したそうです。筆や資料など1400点以上もの品々も置かれ、篠田桃紅の息づかいが感じられる空間となっています。
桃紅館の外観は、黒と銀のモダンなデザインで目を引くつくりです。これは、篠田桃紅の作品《桃紅大地》をベースに墨と銀を意匠に取り入れたもの。また、桃紅館の1階は展示室で、可動壁を動かすことで展示のテーマに合わせた空間をつくり出すことができます。2階はアトリエで、篠田桃紅が実際に使っていた道具や机などを見ることができます。
桃紅館は、篠田桃紅の作品を通して、彼女の人生や思想、芸術観を知ることができる貴重な施設です。開館記念展「篠田桃紅コレクション」では、彼女の代表作が厳選して展示されます。篠田桃紅の作品を1000点以上所有する岐阜現代美術館の桃紅館は一度は行っておきたい施設です。
2024年3月28日から6月15日まで開館記念展「篠田桃紅Collection」が開催されています。