ピカソの絵はどうして価値があるのか?
マーケティング思考に長けていたピカソ
ピカソは、20世紀において最も有名な人物の一人です。どんなに美術に興味のない人でも、ピカソの名前を知っています。たとえるなら、クラシックにおけるモーツァルト、ロックにおけるビートルズのような存在でしょう。
当然、その作品も非常に人気が高く、常に高額で取引をされています。
では、ピカソの人気はなぜこれほどまでに人気があるのでしょうか。
ピカソを不世出の芸術家にしている要因の一つには、その作品の多さにあります。
ギネスブックにも世界一多作な芸術家として登録されているように、ピカソが生涯に残した作品展数は、油絵と素描だけでも13,500枚にも及びます。
作品数が多いということは、それだけ傑作の数も多くなります。さらに、常にどこかのオークションやギャラリーで作品が売買されるため、人目に触れやすく、話題になることが多くなるため、宣伝効果も高まります。
多作であることが、ピカソの作品の価値を高めているのです。
一般的なイメージでは、作品展数が少ない方が希少価値が高まると考えがちなものです。ところが、実際はその逆で、作品展数が少なすぎると取引される機会が少ないために、逆に商業価値が下がる傾向にあります。
よく、死んだ画家はそれ以上作品が作られないために作品の価値が高くなると考えられていますが、それは一部の有名画家だけです。
その他大勢の画家の場合は、亡くなると同時にその作品も忘れ去られ、欲しがる人がいなくなるために作品の価値もどんどん下がっていってしまうのです。
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