クリスト夫妻が60年かけて完成させた夢のプロジェクト。
パリの凱旋門を覆った白い布のその後の運命とは?

2021年に、パリの巨大な凱旋門がすべて白い布で包まれた姿を見ましたか? それは、クリストとジャンヌ=クロードという芸術家夫婦によるアート作品です。


彼らは歴史的な建造物を一時的に変容させることで、人々の視点や感情を刺激する作品を生み出してきました。


クリストとジャンヌ=クロードが凱旋門を覆う構想を立ててから実現するまでに60年近い年月がかかりました。当初は2020年4月にお披露目する予定でしたが、コロナ禍で延期されました。さらに、2020年5月にクリストは亡くなったため、完成を見ることはできませんでした。残されたクリストのスタジオが計画を完遂しています。


このたびパリ市は、2024年のオリンピックとパラリンピックに向けて、この作品で使われた布やロープは熱可逆性のポリマーで作られているので、日除けやテントなどに再利用する計画があると発表しました。


パリは気候変動による酷暑に悩まされており、五輪の開催にも影響が出る可能性がありますが、芸術を気候変動の課題に適応させるという素晴らしい選択が、涼しい風をもたらしてくれそうです。


この決定は、芸術と環境保護の両立を目指す素晴らしい取り組みだと言えます。クリストは環境彫刻の先駆者であり、自然を扱った多くの芸術作品を発表してきたので、天国で喜んでいることでしょう。


クリストとジャンヌ=クロードのスタジオの次なる挑戦は、アブダビで世界最大の現代彫刻を作ることだそうです。


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