白いパリの孤独な物語 ー生誕140年モーリス・ユトリロ展が横浜で開催


パリという街は、多くの芸術家にとって憧れの場所です。パリは華やかで美しく、文化的でロマンチックな街です。


しかし、パリにはもう一つの顔があります。パリは貧しくて寂しく、厳しい現実に直面する街でもあります。そんなパリの両面を見事に描き出した画家が、モーリス・ユトリロです。


ユトリロは、パリのモンマルトル地区で生まれました。母親は、放蕩な女性画家のスザンヌ・ヴァラドンでした。父親はわかりません。


ユトリロは母親から愛情を受けることが少なく、孤独な少年時代を過ごしました。そして子どもの時分から飲酒をはじめ、アルコール依存症になりました。


ユトリロは絵を描くことで自分を救おうとしました。そして自分が住むパリの風景を描きました。ユトリロは白い壁や屋根の建物や教会を描きました。それは「白の時代」と呼ばれる作品群になりました。


ユトリロの作品は白い色彩が印象的ですが、それは決して明るいものではありませんでした。彼の作品には寂しさや閉塞感が漂っています。彼の作品には人間の姿がほとんど見られません。


そんなユトリロの作品が見られる展覧会「パリを愛した孤独な画家の物語 生誕140年 モーリス・ユトリロ展」が、横浜髙島屋ギャラリー2023年9月13日から10月2日まで開催されます。この展覧会では、「白の時代」に描かれたユトリロの代表作約70点を展示します。


ユトリロはパリを愛しましたが、パリに愛されることはありませんでした。ユトリロは孤独な画家でしたが、その孤独が彼の作品に深みを与えました。


ユトリロの作品買取をご検討の方はこちら>>
ユトリロの作品購入をご検討の方はこちら>

アートニュース一覧