展覧会「マリー・ローランサン ─時代をうつす眼」
キュビスムから文学まで、多彩な芸術表現を追求した画家
展覧会「マリー・ローランサン ─時代をうつす眼」が、東京・京橋のアーティゾン美術館で、2023年12月9日(土)から2024年3月3日(日)まで開催されています。
20世紀前半に活躍した女性画家マリー・ローランサンは、キュビスムをはじめ様々な芸術運動や流派に関わりながら、自らの独自の画風を確立しました。彼女は時代の変化に敏感に反応し、自分の表現方法を模索し続けた画家です。本展では、ローランサンの作品を複数のテーマから紹介し、彼女の芸術的な探求心と魅力を探ります。
ローランサンがキュビスムに影響を受けたことを知らない人も多いでしょう。当初、パリのアカデミー・アンベールで学んだローランサンでしたが、そこでは伝統的な絵画技法を教えられるだけでした。彼女は新しい芸術の動向に興味を持ち、ピカソやブラックなどのキュビスムの画家たちと交流するようになりました。
キュビスムは物体を幾何学的な形に分解して再構成するという革新的な手法で、当時の芸術界に衝撃を与えました。ローランサンもこの手法に影響を受けましたが、彼女はキュビスムの厳格さや冷徹さにも反発し、柔らかく優美な色彩や曲線を用いて、女性らしさや感性を表現しました。彼女はキュビスムの画家たちと共に展覧会に参加しながらも、自分の個性を主張しました。
本展では、関連する他の画家たちの作品と比較しつつ、作品の魅力をご紹介します。たとえば、画業を始めた初期に出会ったジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソのほか、藤田嗣治などの作品も合わせて展示しています。ローランサンの描いたピカソの肖像も見ることができます。
また、アーティゾン美術館では、2024年1月4日〜2025年2月9日の期間におけるすべての展覧会が出入り自由となる「展覧会パスポート」を1枚税込み5000円で1月4日から発売します。
パスポートを買えば、窓口販売価格2000円で日時指定予約も必要なローランサン展も、日時指定予約が不要になりパスポートを提示するだけで何度でも観覧できるようになります。アーティゾン美術館のお近くの方は、ぜひご検討ください。