2万円で買った絵が実はダリの初作品だった!
いま現在の価格は?

スペインの骨董店で2万円相当で購入された油彩画が、シュールレアリズムの巨匠サルバドール・ダリの作品だったことが分かりました。この絵はダリが17歳のときに描いた最初のシュールレアリズム作品とされ、美術史上に残る発見となりました。


この油彩画を見つけたのは、画家で美術史家のトメウ・ラモさんです。ラモさんは1988年にジローナの骨董店でこの絵を見て、色使いからダリの作品ではないかと直感して購入しました。しかし、絵には「1896」という年号が書かれており、これはダリが生まれる8年前にあたるため、疑問が残りました。


ラモさんはこの絵について調べ続け、X線や赤外線写真などの科学的な分析を行いました。その結果、鉛筆による下書きが浮かび上がり、ついに2014年に、専門家が1921年前後に描かれたダリの最初のシュールレアリズム作品と判断しました。この絵はダリが高校時代に描いたもので、後に有名になる《記憶の固執》などの作品の原点となっています。


ラモさんは自分の見立てが正しかったことに喜びを感じています。また、ダリの作品として認定されたこの絵の価値は数億円に上ると見られています。それにしても、わざわざ間違った年号を書き入れるなんて、ダリの悪ふざけには恐れ入ります。

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