防災 × アートの融合!
名和晃平の新作が渋谷で注目の的に

東京都渋谷区の「恵比寿東公園(通称:タコ公園)」に、彫刻家・名和晃平氏による新しい彫刻作品が設置されました。この作品は、災害時の一時退避場所の認知向上を目的とした「シブヤ・アロープロジェクト」の一環として制作されました。
シブヤ・アロープロジェクトは、災害時の避難経路や一時退避場所の周知を目的に、2017年に渋谷区によって始動しました。首都直下地震などの大規模災害時には、多くの帰宅困難者が発生することが予測されており、それに備えて一時退避場所の認識を広めることが重要視されています。今回の彫刻作品も、その目的の一環として公開されました。
名和氏の作品は、代表的な彫刻シリーズ「Ether(エーテル)」と、それを見上げる人のモチーフを組み合わせたもの。「Ether」は滴が地面に落ちる際のシルエットを反転させて積み重ねる独特の造形が特徴であり、本作品ではその造形を見上げる人影を通じて、生命の連なりや自然との関係について考えさせられるものとなっています。
また、本作品の印象的な赤色は、「危険」を示す警告色であると同時に、大きな困難に対する反骨精神を象徴しています。この赤は、ダンサー・田中泯氏とのコラボレーション作品《彼岸より》で田中氏の身体を包む泥の色でもあり、強いメッセージ性を持っています。
この彫刻は公園の石垣の上に設置され、公共空間に活力を与えるとともに、周囲のビル群に囲まれた公園から広がる空へと視線を導くものとなっています。春には公園の桜と並んで美しい景観を楽しむことができるでしょう。
シブヤ・アロープロジェクトでは、国内外のアーティストとのコラボレーションを通じて、防災意識の向上と街の景観の豊かさを両立する取り組みを展開しています。今回の彫刻作品を通じて、一時退避場所の認知向上とともに、訪れた人々が災害時に備える意識を高めることが期待されます。
ぜひ現地を訪れ、アートの力で防災意識を高める新たな試みに触れてみてください!
ロッカクアヤコ、バリー・マッギーなど他の作家の作品の公開場所は、シブヤ・アロープロジェクト公式サイトでご覧ください。