30歳で散った天才画家・佐伯祐三の遺作が大阪中之島美術館に!
美術館開館のきっかけとなった山本發次郎コレクションとは
2023年4月15日〜6月25日まで、大阪中之島美術館で「佐伯祐三 ― 自画像としての風景」展が開催されます。
佐伯祐三はエコール・ド・パリ全盛の1923年にパリに渡り、ヴラマンクに批判されて作風を変えて飛躍したものの、その5年後に若干30歳で客死した画家です。藤田嗣治に次ぐパリの日本人画家といってよいでしょう。
佐伯祐三の遺作をコレクションしたのが、大阪の実業家・山本發次郎です。山本發次郎は美術館を建設したがっていましたが、コレクションの多くが戦災で失われて果たせませんでした。
1983年に山本發次郎の遺族が40点あまりの佐伯祐三作品をはじめ、コレクションを大阪市に寄贈したことで大阪市立近代美術館の構想が立ち上がりました。
計画当初の1989年にモディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》を19億3000万円で購入したことが「公金の無駄遣い」ではないかと批判された事件は、2023年現在の鳥取県立美術館のウォーホル《ブリロ・ボックス》騒動を想起させます。
それもあってか大阪市立近代美術館の建設は遅々として進まず、構想から40年近くを経てようやく2022年に開館したのが大阪中之島美術館です。
美術館に収めたかった山本發次郎のコレクションはこうして陽の目を見ることができました。あなたは自身の持つ美術品の行く末について考えたことはありますか?