日本のアンフォルメルの代表、今井俊満
~その自由な人生と作風を知る

今井俊満は、日本にアンフォルメル旋風を巻き起こした立役者のひとりです。1950年代、フランス留学中に知り合った画家ミシェル・タピエやサム・フランシスらと共に、自らもアンフォルメル運動の推進者として活動を開始しました。以降、日本やフランスで、多くの個展や企業パビリオンなどで作品を展示・制作しました。


今井俊満の作品は、アンフォルメルの特徴である素材のマチエールや描く身振りなどが特徴的です。また、日本の伝統美やコギャル文化など、一見対照的に見えるモチーフにも目を向け、常に作風を変化させるなどチャレンジ精神が旺盛でした。彼は2002年に73歳で膀胱がんで亡くなりましたが、その創造性と情熱は今でも多くの人々に感動と刺激を与えています。


今井俊満の代表作品としては、《晩秋》 や《花鳥風月》シリーズなどが挙げられます。これらの作品では、色彩や形態がダイナミックに表現されています。また、《花鳥風月》シリーズでは、「琳派」の流れをくむ装飾的な画面構成で日本独自の美意識を自らの作品の中に落とし込みました。


今井俊満の息子の今井アレクサンドルと今井龍満(りゅうま)も画家として活躍しています。1959年にパリでオーストリア人の母親から生まれた今井アレクサンドルと、1976年に東京で生まれた今井龍満は異母兄弟で年齢も離れていますが、画家の血はどちらにも受け継がれているようです。

今井俊満《コギャル》
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