バスキア贋作事件の発覚から逮捕まで!
オーランド美術館でFBIが絵画25点を押収
2022年6月、フロリダ州のオーランド美術館で開催中のジャン=ミシェル・バスキア展から、贋作の疑いがある絵画25点をFBIが押収しました。これらの絵画は2012年にロサンゼルスの倉庫で見つかったもので、真贋に関する調査が長年にわたって行われていました。
捜査の結果、マイケル・バーズマンという男性が贋作の制作に関与していたことを自供しました。彼は2012年にもう1人の男性の協力を得て、20〜30点の贋作を制作したことを認めています。さらに、作品の所有者を偽装するための贋作の記録を作成しようとしました。
この事件は、美術館のアーロン・デ・グロフト館長の辞任につながりました。デ・グロフト館長は、出所不明の美術品を安価に購入して、科学鑑定や記録資料などを駆使して有名アーティストの作品だと主張することが多かったため、一部の専門家からは疑問視されていました。
美術館はバーズマンとデ・グロフトに対して訴訟を起こしましたが、デ・グロフトは不当解雇、名誉毀損、契約違反で逆に美術館を訴えて、決着はまだついていません。この事件によって美術館は信用回復のために大きな出費を余儀なくされ、財政難に陥っているそうです。
フロリダ州では2022年5月にも、パームビーチのギャラリストが495ドル(約7万円)で購入したバスキアの複製品を、本物と偽って41200万ドル(約16億円)で販売した罪で逮捕されています。2023年、彼は有罪となり27カ月の禁固刑と罰金を科されました。
贋作詐欺事件の発覚は、それだけバスキアが有名になったことをも意味します。美術品を購入する際には信頼のできる美術商を見つけることが大切です。