デイヴィッド・ホックニーの陶器の猫がオークションで高額落札!
元の所有者が語る由来が素敵すぎる
1955年のある日、ピーター・リチャーズ夫妻はロンドンへ向かう途中、ずぶ濡れになったヒッチハイカーを二人拾いました。
彼らはブラッドフォード美術学校の学生で、デイヴィッド・ホックニーとノーマン・スティーブンスという名前でした。夫妻は彼らを自分たちの家に連れて行き、紅茶を出し、服を乾かしてあげました。
帰宅後、ホックニーは感謝の気持ちとして、黒白の猫のセラミック作品を夫妻に贈りました。ホックニーはこれまでに6匹の猫の陶芸作品を作っていて、これはそのなかの1匹にあたります。
ホックニーと夫妻はクリスマスカードやグリーティングカードなどを通じて長く友情を育みました。猫はずっとリチャーズ家にいましたが、93歳になったピーター・リチャーズは子や孫のために、これを10月のステーシーズ・オークションで売却する決心をしました。
オークション会社によって《優しさの猫》と名づけられたこの作品は3万~4万ポンド(約500~700万円)の価値があると見積もられていたのですが、蓋を開けてみると、なんと11万1875ポンド(約2000万円)もの価格がつきました。2023年6月にホックニーの別の陶器の猫がクリスティーズで9万4千ポンド(約1700万円)で落札されていましたが、それよりも高価格です。約70年前の小さな親切に対する大きな見返りでした。
この話は、偶然の出会いがどんな素晴らしい結果をもたらすかを示しています。70年前には無名の美術学生であったデイヴィッド・ホックニーは、今や生きている芸術家の頂点に位置します。あなたの家にはこのような美術品が眠っていたりしませんか?