金属の魔術師ダニエル・ブラッシュの衝撃!
モネから学んだ光とは?
金属の魔術師と呼ばれたダニエル・ブラッシュは、印象派の巨匠クロード・モネの色彩や光の表現に感動し、自分の芸術に取り入れようとしました。彼は金属の表面に微細な溝や凹凸を施すことで、光の反射や屈折をコントロールし、モネの絵画のような美しい色彩を生み出しました。
ダニエル・ブラッシュの名前を知る日本人は少ないでしょう。1947年に生まれて2022年に亡くなったこの孤高のアーティストは、ニューヨークにアトリエを構えながらも、生涯ギャラリーに所属することなく初の個展も50代になってからの開催でした。
ダニエル・ブラッシュのアトリエは、彼の芸術の源泉となった機械工学や歴史、哲学などさまざまな分野の蒐集品や工作機械で溢れています。彼は絵も描きましたが、仕事のメインとなったのはジュエリー(金属工芸)でした。そのためにアートシーンの注目を集めるのが遅くなりましたが、2022年にはイサム・ノグチ賞も受賞しています。
東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、2024年1月19日(金)から4月15日(月)まで開催されている「ダニエル・ブラッシュ展 ― モネをめぐる金工芸」は、ブラッシュの貴重な作品を一堂に集めた日本初の展覧会です。ここでは、モネの絵画とブラッシュの金属作品を対比させることで、両者の芸術的な関係や影響を探ることができます。入場料無料なので、ぜひ足をお運びください。