抽象画の巨匠、フランク・ステラの逝去
~彼の遺した色彩の遺産とは?
2024年5月4日、フランク・ステラがニューヨーク市マンハッタンの自邸で悪性リンパ腫により、87歳で亡くなりました。
フランク・ステラは、1936年5月12日にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン郊外のモールデンで生まれた画家・彫刻家です。ステラは戦後アメリカの抽象絵画を代表する作家で、幾何学的形態の繰り返しや工業的な外観で、芸術史における不動の地位を確立しました。
ステラの初期の作品はミニマル・アート風で、シンメトリカルな色面構成の「ハード・エッジ」風の作品でしたが、80年代以降は作風を大きく変え、色彩豊かな多様な形態の破片やねじ曲げられた平面・立体物を組み合わせたダイナミックな作品を制作しました。
ステラの作品は、シカゴ美術館やワシントンDC国立美術館、ロンドンのテートギャラリーなど、世界中の有名な美術館に収蔵されています。日本では、千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館が、ステラ作品の世界的なコレクションを収蔵していることで知られています。