ピカソが愛人を描いた作品が、美術品オークション史上10位、ピカソ作品歴代2位の、1億3900万ドルで落札 !
彼女に起きた悲劇とは?
ピカソが愛人を描いた肖像画が、2023年の美術品オークション最高額で落札されました。ピカソ作品としては《アルジェの女たち(バージョンO)》に次ぐ歴代2位、これまでにオークションで落札された美術品では史上10位(絵画では9位)の高価格となりました。
パブロ・ピカソが1931年に描いた《腕時計の女》(Femme a la Montre)が、11月8日のサザビーズ・オークションで1億3900万ドル(約210億円)で落札されました。
この作品のモデルは、ピカソの愛人であったマリー=テレーズ・ワルテルです。彼女は17歳のときに45歳のピカソとパリで出会い、彼の愛人となりました。彼女は《裸で横たわる女》(Femme nue couchée)や《夢》(Le Rêve)など、ピカソの多くの作品で題材になっています。ピカソは彼女の豊かな髪や曲線的な体を、鮮やかな色彩や幾何学的な形で表現しました。
しかし、ピカソとマリー=テレーズの関係は永遠ではありませんでした。彼女がピカソの娘マヤをもうけた後、ピカソは別の女性と浮気を始めました。マリー=テレーズは彼に捨てられたことに深く傷ついたそうです。彼女はその後もピカソを愛し続けましたが、ピカソは彼女に会うことを拒み、娘の養育費だけを渡しました。マリー=テレーズはピカソの死の4年後の1977年に自殺しました。
ピカソは自分の感情や欲望を、独自のスタイルで表現した画家でした。ピカソは愛した女性たちをインスピレーションの源として芸術作品をつくり、彼女たちをいつまでも忘れられない存在にしたのです。