ブラジリエの特別な一枚との出会い
~翠波画廊にとっても特別な画家

ブラジリエといえば、躍動感のある馬の絵が特徴的で、特に人気があります。
印象派のドガ以来上流階級の趣味としての競馬や乗馬が、絵画のテーマとして一般的になってきました。
競馬や乗馬はお金のかかる趣味ですが、絵画を買うような富裕層にとっては馴染みの深いもので、
それらが描かれた絵は世界中で好まれます。上流階級の出身であるブラジリエは、フランス貴族のたしなみであった競馬や乗馬などにも造詣が深く、自然とそれらを描くことができました。
日本でも飛躍をイメージさせる縁起物として、馬の絵は人気があります。

ブラジリエは1929年、北フランスのソミュールにて、画家の両親のもとに生まれました。
親戚には他に彫刻家や数学者や軍人がいるなど、上流階級の生まれだったので、幼い頃は何不自由なく育ちました。
1949年、20歳になったブラジリエは、パリの美術学校(エコール・デ・ボーザール)に入学します。
ここの校長だった建築家のポール・トゥールノンが、ブラジリエ家の古い友人で、画家志望の少年の背中を押してくれたからです。
順調に成長したブラジリエは、ローマ・グランプリ賞、シャルル・モレ賞など、20代でいくつかの賞を受賞します。順風満帆な船出でした。
そして、29歳で結婚をした後は、パリのモンパルナスに住んで画家としてのキャリアをスタートさせます。
30歳でパリのギャルリー・ヴェルにて初めての個展を開催した後は、ジュネーブやニューヨークなど、海外でも個展が定期的に開かれるようになります。
東京での初個展は1974年、35歳のときです。まだバブル景気の始まる前の日本でも、ブラジリエは高く評価されました。

2024年で95歳になるブラジリエ御本人は、あまり人と会うことはないのですが、マネジメントを行っている息子のアレクシ・ブラジリエとは親しい仲です。
パリに出張したときには、リュ・デュ・バックにあるアレクシの店に必ず立ち寄って、情報交換を兼ねつつ、他愛のない会話を楽しんでいます。

ある時、うちのお客様からブラジリエの競馬場を描いた古い版画を探せないかと相談を受けました。
版画については今でも直接購入することができるので、息子のアレクシにそのことを伝えてみました。
アレクシは「申し訳ない、その版画は売り切れてしまった」と言いつつも「でも、何とかなるかもしれない」と前向きな返事をくれました。その話から10日程して、パリのアレクシからチューブ状の荷物が届きました。
開けてみると、なんとお客様が探されていた版画が入っていました。
すぐアレクシに確認すると、ブラジリエ本人がアトリエに保存していたEA版(作家保存版)の版画が数枚あったので、1枚くらいお客様に譲っても大丈夫だろうと、送ってくれたとのことでした。早速、お客様にその旨を伝えたところ、とても喜んでくださり、すぐにご購入していただきました。

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