ビュフェの絵はなぜ忘れられない?
「“ビュフェ・スタイル”とは何か?」展でその秘密を探る
ビュフェの絵には、どこか引き込まれる魅力があります。
黒い線と暗い色で描かれた人物や風景は、不安や虚無感を表現していると言われますが、それだけではない何かがあります。
ビュフェは、自分の感情や思想をそのまま画面に投影したのではなく、時代の空気や社会の状況を敏感に察知し、それを独自の視点で捉えたのです。
静岡県のベルナール・ビュフェ美術館で、2023年4月1日(土)から11月7日(火)まで開催されている「“ビュフェ・スタイル”とは何か?」展では、ビュフェの初期から晩期までの作品約100点を見ることができます。
ビュフェは、50年にわたって制作を続け、その線や色彩を変化させ、描く対象を広げていきました。静物や風景、人物や動物、サーカスやニューヨークなど、様々なテーマに挑んだビュフェの芸術は、その時々の彼の心境や世界観を反映しています。
展覧会では、ビュフェの作品だけでなく、彼の人生や人物像にも触れることができます。ビュフェは、若くして時代の寵児となり、画家であることの幸せと苦しみを常にあわせもちながら20世紀を駆け抜けました。彼は、自ら命を絶つまで絵筆を手放すことはありませんでした。
ビュフェの絵は、今もなお新しい衝撃を与えてくれます。彼の作品に触れることで、私たちは何を感じるのでしょうか。ぜひ足を運んでみてください。