エミール・ガレのガラス工芸展に行こう!
自然の美しさを表現した作品の優美さに溺れる
長野県諏訪市の北澤美術館が開館40周年記念特別展として、「エミール・ガレ、自然への眼差し-我が根は森の奥深くにあり-」を2024年3月12日(火)まで開催しています。本展ではエミール・ガレの名品と関連資料 95 点から、ガレの自然観やジャポニスムへの傾倒を探ることができます。
ガレはフランス東部のナンシー出身で、父親の会社を継いでガラス工芸に従事しました。植物学者でもあったガレは、「我が根は森の奥深くにあり」という座右の銘を持ち、生命の神秘と共生を表現した作品を多く残しました。複数の色や層を重ねたガラスにマルケットリーと彫刻を施す高度な技法を開発し、草花や昆虫など自然のモチーフを斬新に描きました。アール・ヌーヴォーの先駆けとなったガレには、ジャポニスムの影響も見られます。
展示されている作品の中でも特に目を引くのは、《ひとよ茸ランプ》です。この作品は、ひとよ茸というキノコをモチーフにしたランプで、キノコの傘から光が漏れる様子が幻想的です。
北澤美術館は、日本画の東山魁夷や山口華楊からコレクションを始めたのですが、次第にガレやドーム兄弟などのフランス近代ガラス工芸が中心になりました。現在ではアール・デコのルネ・ラリックを含めて、約1000点のガラス工芸作品を収蔵する世界有数のコレクションとして知られています。
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