岡本太郎の芸術の両極に迫る!
《明日の神話》と《太陽の塔》の完成後の反響の大きな違いとは?

《明日の神話》を描く岡本太郎


岡本太郎は、1967年に中南米を取材旅行したときに、《明日の神話》と《太陽の塔》のアイデアを思いついたそうです。この2つの作品は、同時期に制作された“最大の絵画”と“最大の彫刻”として、岡本太郎の芸術の集大成とされています。それぞれにどのようなテーマやメッセージが込められているのでしょうか? また、制作過程や完成後の反響にはどのような違いがあったのでしょうか?


《明日の神話》は、1968年のメキシコオリンピックのために描かれた巨大な壁画です。アメリカの水爆実験で、日本の漁船の第五福竜丸が被爆した事件がモチーフで、悲惨な体験を乗り越える人間の強さを描いたものです。養女の岡本敏子は「岡本太郎の最大にして最高傑作」と述べています。壁画は、色彩や形態が豊かで、見る者の想像力を刺激します。


《太陽の塔》は、1970年の大阪万博のシンボルとして建てられた巨大な彫刻です。岡本太郎は、この彫刻を「人類の進化と調和」というテーマで制作しました。彫刻には、太陽の顔と手、火の鳥、水の魚、土の花など、自然のエネルギーを象徴する要素が含まれています。岡本太郎は、これらの要素を通して、人類と自然の共存を訴えようとしました。


《明日の神話》と《太陽の塔》は、ともに岡本太郎の代表作として、多くの人々に親しまれています。しかし、制作過程や完成後の反響には、大きな違いがありました。《明日の神話》は、クライアントが倒産したために行方不明となり、約30年後の2003年にようやく発見されました。現在は渋谷駅に設置されています。一方、《太陽の塔》は、大阪万博の閉幕後も記念に残され、大阪のシンボルとして長く親しまれています。


東京・南青山の公益財団法人 岡本太郎記念現代芸術振興財団 岡本太郎記念館が、企画展「《明日の神話》と《太陽の塔》」を、2023年11月29日(水)~2024年3月10日(日)まで開催しています。この展覧会では、《明日の神話》と《太陽の塔》の関係を、写真や資料、映像などを通して紹介しています。ぜひ、岡本太郎の芸術の魅力に触れてみてください。


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