銅版画の魅力を再発見
~群馬県立美術館で長谷川潔の静謐な世界を堪能する

長谷川潔《アカリョムの前の草花》1969年 メゾチント


銅版画と聞いて、どんなイメージを持ちますか?古い時代の風景や人物を描いた、黒っぽい絵ではないでしょうか。しかし、銅版画にはさまざまな技法や表現があり、現代の作家も銅版画を用いて独自の世界を創り出しています。


中でも、注目すべき作家が長谷川潔 (はせがわきよし)です。長谷川は、20世紀を代表する銅版画家のひとりで、写真の発明によって廃れていた銅版画技法「マニエール・ノワール (メゾチント)」を再興しました。この技法は、銅板に細かい凹凸をつけて、光と影のグラデーションを表現するもので、静謐で深遠な作品を生み出します。


長谷川潔は、大正7年 (1918年)に27歳で銅版画修行のために渡仏してから一度も帰国せず、フランスで画業を続けました。彼の作品には、自然をみつめるまなざしや、孤独や哀愁を感じさせるものが多くあります。それは決して暗いものではなく、むしろ美しく、神秘的で、心に響きます。


2024年3月2日(土)から4月7日(日)まで、群馬県立近代美術館では、長谷川潔の作品群を一挙に公開する特別展示「長谷川潔 銅版画の世界 自然をみつめるまなざし」が開催されています。この展示は、同館の所蔵作品115点を通して、長谷川潔の画業の展開をたどってゆくものです。銅版画という古典的な技法を用いて、現代的な感性で作品を創り出した長谷川潔の世界に、ぜひ足を運んでみてください。


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