杉本博司が北斎に挑む！
「本歌取り 東下り」展で新作《富士山図屏風》が初公開！
2023年9月16日から11月12日まで、渋谷区立松濤美術館で開催されている「杉本博司 本歌取り 東下り」展は、ファンには見逃せないものです。
この展覧会は、世界的な写真家の杉本博司が、日本文化の本質的営みと捉えた「本歌取り」のコンセプトに基づいて制作した作品を紹介するものです。
杉本博司は2022年に、姫路市立美術館で「杉本博司 本歌取り―日本文化の継承と飛翔」展を開催しました。それから１年、新たな作品による「杉本博司 本歌取り 東下り」展が東京で開催されているわけです。
本歌取りとは、有名な古歌（本歌）の一部を自作に取り入れて新たな歌を作る和歌の技法です。杉本は、このやりかたで古典作品と対話しながらの制作を試みました。
本展は、東国への旅中に目にする雄大な富士山を描いた葛飾北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》を本歌とした新作《富士山図屏風》や、書における臨書を基に暗室で書いた《Brush Impression》シリーズなどを中心に展示されています。
また、中国宋時代の画家である牧谿の水墨画技法を本歌取りとした《カリフォルニア・コンドル》や、室町時代の《法師物語絵巻》より「死に薬」を狂言「附子」の本歌と捉えた『死に薬～「附子」より』など、杉本の本歌取りの代表的作品も併せて展示されます。
