パリに現れた日本人彫刻家の驚異的な作品とは?
名和晃平による25メートルの巨大作品の全貌
パリは、世界的な芸術の都として知られていて、ルーヴル美術館やオルセー美術館、ポンピドゥーセンターなど、多くの名だたる美術館があり、街中にもエッフェル塔や凱旋門など、歴史的な建造物や彫刻が点在しています。
そんなパリに、新たなアートのシンボルが誕生しました。日本の彫刻家・名和晃平が制作した大型彫刻《Ether(Equality)》です。
《Ether(Equality)》は、パリの西にあるセーヌ川に浮かぶセガン島の先端に設置されました。
この中州は、かつてルノーの自動車工場があった場所で、2009年から大規模な再開発が始まり、2017年には、日本を代表する建築家・坂茂(ばんしげる)とフランス人建築家ジャン・ドゥ・ガスティーヌの設計によって、多面球のガラスドームが印象的な複合施設〈ラ・セーヌ・ミュジカル〉が完成しました。この施設は、音楽や演劇などの文化イベントを開催する場として、多くの人々を魅了しています。
《Ether(Equality)》は、この〈ラ・セーヌ・ミュジカル〉の背後にそびえ立つ、高さ25メートル、重さ25トンの巨大な柱状の彫刻です。
地面に落下する水滴の形を上下反転させながら積み重ねた多面体で構成されていて、十二角形をベースとした多面体は、空や水面の色によって微妙に色合いが移ろっていきます。
柔らかなシルバーピンクに輝く色彩は、セーヌ川の新しいシンボルとして相応しい存在感を放っています。