アメリカで再評価される国吉康雄の画業
~エコール・ド・パリのもう一人の日本人画家
国吉康雄は、明治時代に岡山県に生まれて、アメリカで活躍した画家です。
彼は藤田嗣治とほぼ同世代で、パスキンに誘われてパリに行き、ユトリロやピカソなどエコール・ド・パリの面々とも交流しました。
国吉康雄は16歳でアメリカに渡り、画家として成功しましたが、二度の世界大戦を経験するなど、アジア系移民として辛い思いをしました。
私生活では二人の米国人女性と結婚しましたが、とうとう最後まで米国国籍を取得することができませんでした。
国吉康雄は初期にはシャガールのような幻想的な作品で注目されました。憂いに満ちた表情の女性や暗喩的な静物、色彩豊かなサーカスの道化などが観る者を魅了し、現在アメリカで再評価が始まっています。
日本でも、茨城県近代美術館で「国吉康雄展 ~安眠を妨げる夢~」が、2023年10月24日(火)~12月24日(日)まで開催されています。
本展に加えて、講演会やワークショップなども開催されます。また、本展監修者の才士真司が監督した映像ドキュメンタリー「描かれた永遠の現在地〜何が国吉康雄の安眠を妨げるのか」も初公開されるので、ぜひご覧ください。